コラム導入事例

導入事例

【第一回お客様インタビュー[アルコール分析]】株式会社新澤醸造店 新澤巌夫 様

既成の概念にとらわれない革新的酒蔵、新澤醸造店究極の食中酒 伯楽星を醸す蔵元、新澤巌夫氏に聞く

#SDKシステム #アルコール分 #日本酒 #酒造業 #酸度・アミノ酸度

雪に囲まれる冬の川崎蔵

新澤醸造店5代目蔵元
新澤巌夫社長

新澤醸造店様は創業1873年(明治6年)、宮城県大崎市に本社を置く酒蔵。2011年3月11日の東日本大震災で蔵が全壊する甚大な被害を受けながらも同県柴田郡川崎町への製造蔵移転を決意され同年には早くも製造を再開、また2013年には本社の再建も果たされるなど大変なご苦労のなか激動の経緯を辿って今日に至っておられることは想像に難くありません。そして弊社SDKシステム(アルコール分の測定)と電位差自動滴定装置(総酸度・アミノ酸度測定)を導入頂いたのも2013年、今年で導入から8年目を迎えられます。今回、お客様インタビューの栄えある第1回でご紹介させて頂きますのは、酒造りへの情熱、型破りなアイデアと実行力、そして日本酒に食前酒、食後酒という言葉しかなかった時代に“食中酒”という単語と同時に全く新しいジャンルを生み出し、現在も究極の食中酒を酒造りのコンセプトに掲げる新澤醸造店五代目蔵元の新澤巌夫(にいざわいわお)社長にお話を伺いました。

酒造りのイメージを覆す。
先進設備の導入で蔵人たちが酒造りに専念できる環境を実現、人を成長させていく酒蔵

最年少女性杜氏の渡部七海さん(左)と
副杜氏のサム・キャロンさん(右)

蔵人の働く姿の一般的イメージは「寒い冬の間は酒蔵に泊まり込み、日の出前の暗いうちから手作業によって行われる、よほどの熱意がなければ務まらない過酷なお仕事」と言えばやや大げさかもしれませんが、新澤醸造店様はそのイメージを覆します。積極的な先進的製造設備の導入によって職場環境を可能な限り過酷労働から解放、と同時に高度な品質管理環境の構築、一般的な会社と変わらない勤務シフトも実現しておられます。伝統的な酒造りがここまで進化しているとは驚きです。また、従業員に対する画期的な福利厚生にも驚かされます。通勤に使用する自家用車購入のための補助金制度、一年間無料の社員寮等、普通の会社では実現困難と思える従業員に対する会社のあらゆるサポートのみならず必要経費の事後決済ルール等のお話もお聞きするにつれ、蔵人の方たちが酒造りというお仕事に真正面から取り組み、真剣に向き合い、専念できる環境とはいかなるべきか?が徹底的に考えられ、それらが実際に制度として整えられ、実現されています。
そして、そんな新澤醸造店の杜氏を務めるのは、女性として全国最年少で杜氏となった渡部七海(わたなべななみ)さんです。2018年の「ブリュッセル国際コンクール SAKE selection 2018」では渡部杜氏の日本酒が部門トップのトロフィー酒を獲得、名実ともに備わった若きリーダーです。

分析装置の導入によって得られたメリットとは?

KEM:
弊社装置の導入によってどのようなメリットが得られたでしょうか?

新澤社長:
4つの点が挙げられます。まず1点目は正確な分析結果を得られること。2点目は分析作業を自動化・無人化できたことですね。人手をかけずに正確な分析結果が得られるようになりました。3点目はスピード。つまり、試料採取から分析結果が出るまでの時間を短縮することができました。導入以前は、午前は造りに集中するため分析開始は午後の手が空いたときから。分析結果が出るのは早くて夕方で、醪(もろみ)の仕込調整を行えるのは翌日となっていました。それが今では朝に試料を分析機器にセットすればお昼にはすべての分析結果が得られますので、当日午後から仕込調整に取り掛かれるようになりました。また、それまで2日に1回の頻度で精一杯だった手分析も、今では毎日データが得られますのでよりきめ細やかな仕込調整が可能となりました。醪は生き物ですから状態が刻々と変化していきます。仕込調整に取り掛かりが遅れば遅れるほど、制御が難しくなっていくんです。そして、最後の4点目は作業者に余力が生まれること。この余力を仕込調整に充てたり、従来は余力がなく実現できなかったアルコール以外の分析もできるようになりました。

KEM:
導入メリットは一つではないのですね。品質維持にも貢献できているでしょうか?

新澤社長:
はい。それだけではなく、早くに仕込調整に取り掛かれるため、制御に要する時間やコストも抑えられています。

KEM:
これほどまでに多くの導入メリットを感じていただけて私たちも喜ばしい限りです。ところで、SDKシステムのオートサンプラは20検体仕様となっておりますが、実はこの仕様、製品開発時に頂戴した新澤社長のご要望をそのまま採用させていただいたものでした。

新澤社長:
はい、当社も含め、多くの中小蔵の生産工程は半仕舞い(2日毎に1本を仕込む)なんです。この場合、醪タンクが12本、酒母タンクが6本、製品分析が1~2本が毎日の分析対象となります。これが私が20検体を要望した根拠なんですよ。

KEM:
技術者目線の理に適ったご意見で、弊社も即採用とさせていただきました。おかげさまで現場のご要求に応えられる分析機器となり、今では全国数百の酒蔵に御採用頂いております。そして、記念すべきオートサンプラ1号機も御社に導入させて頂きました。この場をお借りしまして、改めて厚くお礼を申し上げます。

新澤社長:
導入メリットの大きい製品は大歓迎です。次の新製品開発の際は当社を実験台にしてくれてもいいですよ(笑)

KEM:
うれしいお言葉、ありがとうございます。それでは今後とも弊社製品をよろしくお願い申し上げます。

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